スマートフォンを利用するのに欠かせないSIMカードを巡って以前から問題視されてきたのが“SIMロック”だ。
SIMカードには電話番号やユーザーを識別する番号などが記録されており、これがなければ、基本的にスマートフォンでの通話ができない仕組みになっている。NTTドコモやau、ソフトバンクといった通信事業者は、このSIMカードと端末、さらに通信料金などにまつわるサービスをセットにして、1つの契約として販売。契約したSIMカードは他社の端末で使えないように制限(ロック)が設定されているのが現状だ。
そんななか総務省は、2010年にSIMロック解除に関するガイドライン発表した。14年2月には、関係団体・事業者のヒアリングをおこなってきたワーキンググループによる「ICTサービス安心・安全研究会」を立ち上げるなど、携帯電話利用者の視点を踏まえた各種サービスに関する問題解決の糸口を探ってきた同省は、6月30日に行われた「第7回 ICTサービス安心・安全研究会」において、中間取りまとめ(案)を公開した。
この取りまとめの中で注目すべきは、“SIMロック解除など”とされている部分で、同省はSIMロックを原則解除することを各業者に義務付ける方針だ。
ただし大きな問題点もある。たとえSIMロックが解除されたとしても、各事業者間の通信方式が異なるため、端末によっては実質使えない場合もあり、SIMカードを差し替えればすぐに使えるという手軽さがない(標準SIM・マイクロSIM・ナノSIMといったカードサイズの違いも)という点だ。