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 ここのところ、事故が頻発し、禁止条例制定や罰金化などが自治体でも検討され始めている「歩きスマホ」。メッセージのやりとりやゲームに夢中になり、人の往来の多い場所でもスマホを操作しながら歩いたり、階段を昇り降りしたり、電車やエレベーターを乗り降りするときもスマホから目を離すことなく急に立ち止まったり……。そういう人があまりにも多いことから、「迷惑をかけている」という自覚が薄らいでしまっているのかもしれない。が、いいかげんにしろと思っている人も多いはず。そんな「歩きスマホ」を防止するアプリがソフトバンクから登場した。

 そのアプリケーションが、「STOP歩きスマホ」(月額利用料無料)だ。Google Play にて5月23日より配信が開始されており、当面はAndroid OS搭載のスマホ向けで、iPhone(iOS)向けは、現在検討中とのことだ。

「STOP歩きスマホ」は、同アプリを起動した状態でスマートフォンの画面を見ながら歩行すると、歩行中の揺れを検知し、警告画面を表示するというもの。この警告画面が表示されている間は、スマートフォンの操作ができなくなり、歩行を中止すると再度操作が可能となる。なお、音声通話や音声発着信、緊急速報メール使用中は注意メッセージを表示しないという。

 同様の歩きスマホ防止アプリについては、2013年12月にNTTドコモが「あんしんモード」に追加する形で「歩きスマホ防止機能」の無料提供を開始している。こちらもアプリをインストールし、機能を有効にすれば、歩きスマホの際、警告画面が表示されている間は操作ができない仕様となっており、ソフトバンクの「STOP歩きスマホ」とほぼ機能は同等。これで歩きスマホを防止する無料アプリを提供するキャリアは2社となった。

 東京消防庁の調査によると、2013年の1年間に、東京都内で歩いたり自転車に乗ったりしながら携帯電話やスマートフォンを操作して事故に遭い、救急車で搬送された人は、36人に上り、過去4年間で最多であるという。この数値は2010年の約1.5倍に及んでおり、スマホ普及に伴って年々増加傾向にあるという。

 携帯通信キャリア各社は、携帯電話のマナー向上や安全な使用環境を構築するために、こういったアプリケーションの無料提供などの活動を行っているわけだが、これによってユーザーの意識がどこまで変化するか、注視したいところだ。防犯上、子供にスマホを持たせる親も増えてきている昨今。使用する上での無用なトラブルを避けるためにも、子供に持たせるスマホにはこうしたアプリをインストールしておくのが得策かもしれない。