この10年間で大学生の就職率はどのように変化したのでしょうか。



 学校基本調査を見ると、ほぼ10年前の2003年の就職状況を確認することができます。2003年は「超・就職氷河期」と言われる時代でした。その当時の大学卒業者約54万5千人の進路は、進学者が11.4%(2013年は13.8%)、就職者55.1%(67.3%)、一時的な仕事に就いた者4.6%(3.0%)、進学も就職もしない者22.5%(13.6%)、不詳・死亡4.9%(1・5%)となっています。いわゆる就職率というものは55.1%、無業者率は27.1%となりました。



 この10年間の就職状況を見てみると、前半の5年で徐々に回復し、2008年のリーマンショックで一時下降線を辿りましたが、再び景気回復とともに就職率が上昇しています。



 では、近年、どこの大学が就職に強くなっているのでしょうか。書籍『就職力で見抜く!沈む大学 伸びる大学』では、就職率上昇ベスト100を発表しています。早速、その上位校を見てみましょう。



10位:駒澤大(2003年就職率:46.5%、2013年就職率:72.8%)

9位:創価大(2003年就職率:50.1%、2013年就職率:77.2%)

8位:上智大(2003年就職率:53.8%、2013年就職率:81.3%)

7位:明海大(2003年就職率:42.9%、2013年就職率:70.8%)

6位:茨城キリスト教大(2003年就職率:55.9%、2013年就職率:86.1%)

5位:愛知県立大(2003年就職率:56.2%、2013年就職率:87.0%)

4位:北海道文教大(2003年就職率:60.4%、2013年就職率:91.9%)

3位:青山学院大(2003年就職率:52.3%、2013年就職率:84.4%)

2位:東北薬科大(2003年就職率:65.7%、2013年就職率:98.6%)





 そして第1位は............同書を読んでご確認ください。



 ランキング上位に、東京大学や京都大学など、旧帝大系の名前がないのは、2003年も2013年もそれなりの数字を出しているため。一方、このランキング上位校は、就職率を向上させようと努力したところばかりだと言えます。



 同書では2位の東北薬科大の就職指導についてこう解説しています。



「学生と就職部だけの関係でなく、配属教室責任者も関わり、本人の将来への志向をしっかりとつかんでサポートしている。入学早々から製薬工場、調剤薬局や病院、保健・福祉施設などを見学する『早期体験学習』は、早くから現場を知り将来の明確な就職目標を立てる機会になる」



 他の上位校の就職率の分析を行なっている同書、今後どのような大学が沈むかにも言及しており、受験生本人や受験生を抱える親として参考になるような一冊となっています。



「誰もが知っている有名な大学だから大丈夫」とは言っていられない時代となってきました。将来を見据え、しっかりとした大学選びをしたいものです。

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