タカラヅカといえば、金髪リーゼントにつけまつ毛バッサーの凛々しい男役というアレだ。そんなものにまるで興味がなかったのに、突然タカラジェンヌのリストラ役を申し渡された本社の社員、娘が宝塚に入りたいと言い出して慌てふためく父親。女ばかりの劇団を陰から支える男たち、“ヅカメン”の知られざる奮闘を描く六つの連作短編集である。 「月の番人」の主人公は阪急電車で鉄道ひとすじだった元駅長。退職後、「お父ち…

続きを読む