AERA 2023年3月20日号より
AERA 2023年3月20日号より

「まず、つい仕事に夢中になってしまわないよう、『この1カ月は婚活優先』と決意しました。そして、徹底的に自己分析し、自分が結婚に何を求めているかを絞り込み、プロフィル欄に『私はこんな性格です。遊びのお付き合いは嫌。こういう性格の男性はお断り』と明確に書きました。多数から連絡をもらうよりも、本当に自分に合った人から連絡をもらえることが大切なので。とはいえ、好みじゃない人から連絡がくることもありますし、逆に好みの人とダメになることもあります。でもいちいち凹まない。『ハイ次!』と割り切ることも大切」

■愛はじわじわ芽生える

 さらに、夫となった男性とは知り合って早々に結婚後の細かいプランを話し合った。

「『子どもはどうする』『どちらかが病気で働けなくなったらどうする』などかなり突っ込んだ質問をしてくれたので、私からもどんどん質問しました。気持ちを探り探り進める日本的な恋愛・婚活文化にドップリ浸かった人だと引いちゃうかもしれないですね」(女性)

 そのような婚活で相手を「好き」になれるものだろうか。

「確かに、恋愛によくあるドキドキといった気持ちの盛り上がりはなかったです。でも最初から『この人は私の結婚相手だ』と思って接することができたので、互いに遠慮することなく、仲良くなっていくのは早かったと思います。結婚を決めたあとにじわじわと愛情が芽生えてくる感覚です。もちろん文化や価値観の違いは多少ありますが、そこは一緒に生活するなかで時間をかけて互いにすり合わせていくのも楽しみ」(同)

 結婚は恋愛が先にあるべしという固定観念を捨て、相手とともに愛を育てていくものと捉えることがタイパ結婚のカギかもしれない。

「未婚の友人は『ご縁があったら結婚したい』と言うけれど、『ご縁』なんて生ぬるいことを言っていたら結婚できない」(同)

 辻村深月さんの小説『傲慢と善良』(朝日文庫)が39万部超のヒットとなっている。ミステリータッチの恋愛小説で、アプリを使う婚活男女の心理に深く切り込み、「心えぐられる」という感想が多数寄せられているという。ヒットの背景に、アプリに対する関心の高まりもあるようだ。

 実際、アプリによる婚活者は増加している。明治安田生命が1620人に行ったアンケート調査によると、2022年に結婚した夫婦のうち、22.6%が「アプリで出会った」という。

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