相鉄のキャラクター「そうにゃん」(左)と、東急のキャラクター「のるるん」。愛くるしい姿が人気(写真:相模鉄道提供)
相鉄のキャラクター「そうにゃん」(左)と、東急のキャラクター「のるるん」。愛くるしい姿が人気(写真:相模鉄道提供)

 運行を始めるのは午前6時3分発「のぞみ491号」。これによって、品川を午前6時に出発する始発の「のぞみ79号」より名古屋、京都、新大阪に9~10分早く到着し、首都圏から名古屋や大阪圏にもっとも早く着くことになる。

「新横浜駅利用が加速し、東京・品川・新横浜各駅の使い分けや人の流れが、かなり変わるだろう」(松本さん)

 鉄道の利便性が向上すれば、街に活気をもたらす。

 その一つが、神奈川県のほぼ中央に位置する海老名市だ。今年1月時点で、人口は前年同期比2015人増の13万9538人。藤沢市の2124人増に次いで県内2番目の伸びとなった。今年中には人口は14万人を突破すると見られている。

 不動産・住宅情報サービスの「LIFULL HOME’S (ライフルホームズ)」は、横浜新線のハブ駅となる「二俣川」と「西谷」の2駅と、その所在地である横浜市「旭区」と「保土ケ谷区」における中古マンションの平均価格の推移を調べた。

 その結果、「旭区」と「保土ケ谷区」内の駅から徒歩10分以内の物件は19年12月の2525万円から、3年後の22年12月は4056万円と3年間で1.6倍(60.6%増)になった。一方、「二俣川駅」と「西谷駅」それぞれ徒歩10分以内の物件に絞った場合、19年12月の2220万円から、22年12月は4637万円と2倍以上(108.9%増)の伸び率を記録した。

■さらに上昇の可能性

 LIFULL HOME’S 総研チーフアナリストの中山登志朗さんは言う。

「マンション価格は、交通の利便性が上がれば当然上がります。もともと旭区や保土ケ谷区エリアは横浜の中心部ではないので、マンションの物件価格は(横浜中心部の)中区や西区と比較すると高くありませんでした。それが、ハブ駅において3年間で2倍近く値上がりしたのは、交通の利便性が飛躍的に向上することへの期待の表れだと考えられます」

 新線の開業後についてはこう見る。

「新線沿線で暮らす方々が利便性を実感し始めれば、沿線に移り住む方が増えるという副次的効果も期待できます。そうなれば、さらなるマンション価格の上昇につながっていく可能性は十分にあります」

 新しい鉄路ができ、人の流れがどう変わるか。街の変化とともに、注目したい。(編集部・野村昌二)

AERA 2023年3月20日号

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野村昌二

野村昌二

ニュース週刊誌『AERA』記者。格差、貧困、マイノリティの問題を中心に、ときどきサブカルなども書いています。著書に『ぼくたちクルド人』。大切にしたのは、人が幸せに生きる権利。

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