立川談志に入門し、20年の修業期間を経て真打になった落語家が、師匠との蜜月時代から葛藤と確執を経て和解し、談志落語が体に沁み込むまでの月日を語りつくした。 入門したてのころは師匠と銭湯に行き、前座仲間と3人がかりで背中を流したり、玄関の床に坐らされ、師匠が野菜を炒める音に負けないよう稽古させられたりした。だが、次第に疑問を覚える。あるときは月々の上納金を滞納した罰として、未納分の倍の金額をま…

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