正月の風物詩といえるのが、毎年1月2日、3日にかけて開催される箱根駅伝。大学駅伝チームが、東京都・大手町にある読売新聞東京本社ビル前から、箱根町・芦ノ湖までの往復を競う箱根駅伝は、来年で第90回目をむかえます。



小学生の時にNHKラジオで中継を聴いて以来、箱根駅伝を30年以上追い続けているのがスポーツライターの生島淳さん。その生島さんにとって7作目となる箱根駅伝関連本が、先月刊行となった『箱根駅伝コトバ学』です。箱根駅伝への限りない愛情を、40のキーワードで切り取っています。



欠かせないキーワードと言えるのが、箱根駅伝のスタート地点でもあり、ゴール地点でもある日本有数のオフィス街「大手町」。往路の1月2日の朝は、スタートを見ようと集まったファンでごったがえします。選手、関係者、ファンの緊張感と熱気が、独特の雰囲気を醸し出すと、生島さんは語ります。



生島さんは復路のある1月3日は、箱根から帰ってくる選手たちを迎えるべく、大手町で取材を行うのだそうです。「私はこの時間帯の大手町が好きだ。遠くから吹奏楽の音が聞こえ、町がざわめいている」と、生島さんは箱根駅伝の時の大手町を表します。



恒例となっているのが、選手たちによる優勝監督の胴上げです。2013年に30年ぶりの優勝を飾った日本体育大学の別府監督は、胴上げの際に見える光景について語っています。



「胴上げをされてみると、ビルに囲まれているせいで、大手町の空ってすごく小さいんですよ。でも、そこから見える空が青くってね。鮮やかなんです。あの青空は、一生忘れないと思います」



スタート地点として選手たちを送り出し、ゴール地点として迎え入れていた風景が、来年から変わります。読売新聞東京本社の新本社・読売新聞ビルが、先月無事に完成。2014年1月6日にオープンします。



地上33階、高さ200メートルと日本有数のビジネス街、東京・大手町で最も高い超高層ビルとなる読売新聞ビル。残念ながら、屋上に出ることが出来ませんが、地上200メートルの高さから眺めることができる360度の絶景を、体験できるスマートフォンアプリ「YOMISORA(ヨミソラ)」がリリースされました。朝、昼、夕、夜の時間帯ごとの景色と、東京が見せる豊かな表情を楽しめるのが特徴です。



学生たちの努力の集大成の場として、様々なドラマが生まれる箱根駅伝。今年は大手町の変化に注目するのも、ひとつの楽しみ方なのかもしれません。



【関連リンク】

・YOMISORA(よみそら)

http://yomisora.yomiuri.co.jp/