昭和33年生まれの柏木イク。嬰児の頃からさまざまな人に預けられて育ち、5歳から実の両親と暮らし始める。シベリア抑留経験者の父は癇癪持ちで、そんな父との結婚に失望している母は、娘に愛情を注ぐことがなかった。イクは滋賀から東京の大学に進学し、卒業後は庶務の仕事に就く。恋にも無縁なまま、東京と滋賀を往復する遠距離介護。やがて自らも病を患い、49歳になっていた。 激動の昭和を生きた女性の奮闘記や、犬…

続きを読む