日本近現代史関係の著作に定評のある著者が、戦後日本史を振り返りながら歴史の捉え方を解説した一冊。 主張内容はきわめてシンプルだ。歴史は、つねにある立場からの解釈を通じて作られる。同じ出来事を誰が、どのような立場から語るかによって複数の「戦後史」が存在する。沖縄や女性、在日コリアンなど社会的マイノリティと呼ばれる人々の視点から描かれる戦後史は、その顕著な例だろう。例えば今年、サンフランシスコ平…

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