1ヶ月前、私はこの連載に「ケータイホストゲームに夢中だけど、本当のホストにはハマらず貯蓄してま?す♪」と書いた。 

 けれど、1ヶ月後の今日、結局ハマって通っている私がいる。ホストクラブではなくバーテンダーだけど、シャンパンを開け続けているのだから、同じようなものだ。そしてなぜハマってしまったかというと、決してホストゲームのせいではない。たぶん。

 私は確かに一般の40歳に比べたらホストクラブに行っているほうだろう。でも今では取材や打ち合わせで行くことも多いので、いわゆる「ハマっている」状態は滅多にならない。最後にハマったのはいつのことだろう。多分3年ほど前だと思う。

 ハマると私はどうなるか。他の女性もそうだと思うけれど「また彼に会いたい!」と熱望するようになる。他の男ではダメ、彼でなくてはならない。これは恋愛感情にかなり近い。そして禁煙しているときの禁断症状にも似ている。また会いたくてソワソワしてしまうのだ。

 なぜそのバーテンダーにハマったかというと、顔がとても好みなのもあるけれど、手料理を振る舞ってくれるからだと思う。そのバーにはミニキッチンがあり、何か作ってというと彼が焼きうどんやパスタをささっと調理してくれる。それがすごく美味しい。

 バーのママさんに「ママ?、小腹が減ったから何か作ってよ?」とねだってるおじさまと多分同じ。私は彼に甘えられるのがうれしいのだ。いつも自分の2人の子どもにせっせと手料理を作ってばかりで、誰も私にごはんを作ってはくれない。その淋しさを彼のごはんは癒してくれる。

 彼はひねくれ屋で、オムライスを作った時にはケチャップで「チャーハン」と書いたりするような人だけれど、スプーンで「あーん」と一口食べさせてくれる。私はこの一口のためにお店に通っているのだと思う。ツバメの子のように誰かに食べさせてもらいたいのだ。だからシャンパンは、オマケ。

 彼の店のシャンパンは6000円からと、ホストクラブの何倍もお安い。私は彼に尽くしてもらった御礼に、彼が喜ぶであろうシャンパンを開ける。これで私たちのバランスが取れるのだと思う。
 それにしても彼の手料理が欲しい。次は何を作ってもらおうかなあ。

20111013_lovelog_1.jpg