「性の氷河期」シーズン2
「セックスはめんどくさい」「性に関心がない」。そんな若者の"異様な"性の実態を本誌3月7日号で報じた。ところが、現状はもっと深刻で、セックスしたくても"できない"若者が増えているというのだ。アダルトビデオが"教科書"という若者の、データだけではわからない悲痛な声を聞いた。
中高年の方はにわかに信じがたいだろうが、最近、若者の間でひそかに精力剤が"流行"しているという。
精力剤販売の最大手「あかひげ薬局」本店(名古屋市)の販売員は、驚いた様子でこう言うのだ。
「ここ2、3年で若いお客様が増えています。『そういう気にならない』と言う人もいれば、途中で萎えてしまう『中折れ』や『勃起しない』という身体的な相談もあります」
本当なのか?
「彼女には内緒にしていますが、僕は、昨年春に童貞を捨ててから、ずっと精力剤を使っています」
そう告白するのは、都内在住のフリーター男性のAさん(28)だ。
「今、付き合っているのが、初めての彼女。その彼女に童貞だと知られたくなかったので、最初にセックスする時は、『うまくやらなきゃ』と緊張していました。それで『中折れ』してしまった。すると、彼女が『大丈夫?』って言ったんですよ。ショックでした。だって、僕はダメだってことでしょ? 今も月1回程度セックスするのですが、初めての体験で怖くなって、彼女と会うときは必ず精力剤を持ち歩いています」
ただし、マスターベーションをする時は精力剤は使わないという。
「飲まなかったら不安でセックスできないと思います。保険というか、安心薬みたいな感じです」
彼女には「かっこ悪い姿は見せたくない」との理由で、今後も絶対に打ち明けないという。
本誌08年3月7日号でお伝えしたとおり、財団法人日本性教育協会によると、全国の中学、高校、大学生の男女に、「性的なことに関心があるか」と尋ねたところ、「ある」と答える学生が99年から男女とも急激に減っている。最新の調査(05年)と比較すると、「性的なことに関心がある」と回答した男子高校生は99年に90・5%いたが、05年には78・5%に減少。女子高校生も同じく、76・9%から54・8%と急激に減っている。
前回紹介した若者たちは、「めんどくさい」「気持ちよくない」とセックスを嫌う傾向が目立ったが、Aさんのように、「したくてもできない」若者がいるとは驚きだ。
やはり精力剤を飲む関西在住の男子学生Bさん(24)にも、話を聞いた。