若者の性への関心が低くなってきた99年以降といえば、各家庭にインターネットが普及し、学生が携帯電話を持ち始めたころだ。その学生が生まれた80年代には、すでにAVがビデオ店の店頭に並んでいた。


 そんななかで、若者はどんな知識を得たのか。名古屋市内に住む男子学生(20)は、事もなげにこう言ってみせる。

 「AVは基本のキですね。俺は毎回顔射(精液を相手の顔に出すこと)します。理由は特にないですよ。AVでやってるから、普通って感じです。俺、優しいから、(膣の)中に出さないんですよ。彼女も喜んでます」

 彼にとってAVは"教科書"だったようだ。

 「学校の性教育とかじゃわかんないし、ほとんどの人がAV見て勉強するんじゃないんですか? 女のふるまいもAVと一緒ですよ」

 東京在住のフリーター女性(19)も、こう話す。

 「小学5年の時に友達と『勉強会』をして、初めてAVを見ました。それから、友達に借りたり、彼氏のをこっそり見たりして『お勉強』してました。もちろん、彼とする時は、気持ちいいフリをします。AV女優の声の出し方とか、表情やしぐさをマネします。それが礼儀だし、シラけてたら相手に悪いでしょ」

◆「嫌」と言えない純愛志向の裏側◆

 そんな女性の"裏側"を知ってか、男性からも冷めた意見が上がる。
 一昨年、初体験したという大学生Cさん(21)の話。

 「彼女のことは根本的に信用していません。セックス中に気持ちよさそうにしてても、心の中では『どうせ、演技だろ?』って思ってる。そもそもセックスがあまり気持ちよくない。初体験も周りに言われて、やんなきゃいけないからしたという感じでした」

 前出の性教育協会の調査では、男子高校生の59%、男子大学生の87%が「アダルトビデオを見る」経験があり、セックスについての知識を「ポルノ雑誌/アダルトビデオ」で得ていると回答したのは、男子高校生で42・8%、男子大学生では63%にもなった。
 調査にかかわった活水女子大学の石川由香里准教授は、こう指摘する。

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