各社の世論調査の数字では、長谷川氏を追って徳永氏が次につけており、当選圏内といった見方が大勢のようだ。そして、三つ目の椅子を石川氏と船橋氏で奪い合う構図。
「世論調査でも、社によって石川氏がリードというところもあれば、その逆もある。差は1、2ポイント程度しか開いていない。最後までわからない情勢だ」(立憲幹部)
ある北海道議は、
「自民は長谷川氏、立憲は徳永氏に組織票の多くを流している。石川氏と船橋氏は無党派層の票がとれるかどうかが勝負の分かれ目」
と読む。
石川氏は演説で、
「私には大きな組織はない。それでも接戦になっている。れいわ新選組が、立憲民主党の候補の中で推薦をしてくれているのは、私だけです」
と浮動票を意識した話に。
船橋氏も岸田首相の横で、
「今は4番目だ。なんとか押し上げてほしい」
と訴え、演説終了後は人気の高い北海道知事の鈴木直道氏とともに有権者と記念撮影に余念がない。最後まで、デッドヒートが続きそうだ。
●京都では「反維新」の自民、立憲
北海道と同様に激戦の京都選挙区。
2議席をめぐり、自民の新顔・吉井章氏、立憲の前幹事長・福山哲郎氏、維新の楠井祐子氏の3人が激しく争っている。
各社の世論調査の数字によると、吉井氏が頭一つ抜け出し、福山氏、楠井氏の順番で続いているようだ。福山氏と楠井氏の差はどの社も5ポイント程度。終盤での追い込みが勝敗をわけることになりそうだ。
だが、不思議なことに、この選挙区では自民と立憲が、「反維新」でまとまりつつあるのだ。
楠井氏の応援には連日、維新の大阪府知事の吉村洋文氏、大阪市長の松井一郎氏らトップが繰り出す。
「京都は最、最、最重点の選挙区。大阪の改革を京都で楠井さんにやらせてほしい」
と吉村氏は訴え、一度話し出すと10分以上しゃべり尽くす。
今回は、維新と組む国民民主党の前原誠司代表代行も、
「維新のような改革が京都、日本に必要だ。今の野党で政権交代はできない」
と声をあげる。候補者の楠井氏がすっかりかすんでしまうほどの力の入れようだ。