カンニング竹山さん(撮影/今村拓馬)
カンニング竹山さん(撮影/今村拓馬)
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 安倍晋三元首相が選挙演説中に銃撃され、死亡するという前代未聞の事件の約1カ月前に、お笑い芸人・カンニング竹山さんは安倍元首相と対談をしていた。安倍元首相と昭恵夫人のプライベートな話まで聞いたロングインタビューは、その対談が「最後」だったという。とにかく「切ない」と思いを吐露し、重大事件のその先に考えるべきことがあるという。

【写真】安倍元首相の後ろで演説を聞いていた山上容疑者

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 安倍元首相と対談したのは6月16日で、約1カ月前だったんですよね。ABEMAの『カンニング竹山の土曜TheNight』という番組で元・日本テレビ政治記者の青山和弘さんを通じて、安倍元首相に取材をお願いしました。安倍元首相からは「竹山君、知っていますよ。いいですよ」というような回答をいただき取材することになりました。

 取材時間は30分間もらったんですけど、結構、盛り上がっちゃって、首相時代の話から始まって、安全保障については「なぜ防衛費にGDPの2%が必要なのか」を聞いたり、経済のこと、そして昭恵夫人とのプライベートなこと……時間オーバーして1時間の対談になりました。本当はエネルギー問題の話しをしたかったんですが、時間切れとなってしまった。

 あの銃撃事件が8日に起きたとき、安倍元首相とメチャメチャ知り合いというわけではないんだけど、対談のあとだったということもあり、正直、ショックでしたよね……。国民みんな、ショックだったと思うんですが。

 対談でお会いする前は、安倍元首相は「おっかないオヤジなんだろうな」と勝手に思っていた。元首相なわけだしね。衆議院議員会館の最上階の一番奥の部屋にいて、たくさん取り巻き立ちに囲まれていて、安倍元首相に会うところまで入るに大変でした。「なんで、俺がインタビューするのをOKしてくれたんだろう?」と思いながら対談に向かいました。対談で、僕が間違っていること言ったら「それ、君、違うな!」とか間髪入れずに厳しく指摘をしてきて、論破されるのではないかと思っていた。

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