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相手の立場になってみれば、「自分と向き合ってくれている」「関心を持ってもらえている」「よし、自分が答えなきゃ」と、親近感や信頼感が生まれ、より「自分事」として会話に参加してもらえます。
せっかくですから積極的に会話の中で名前を呼びかけていきましょう。
ちなみに、番組の電話ゲストコーナーで最後に「一言メッセージ」をいただく、という流れがあるのですが、ここでも「最後になりましたが、◯◯さん、今番組を聞いている方々にメッセージをいただけますか?」と、意識的にゲストのお名前を入れて呼びかけます。そうすることで電話の向こうの声が一段と明るく弾むように感じます。
やっぱり自分の名前を呼ばれた瞬間、人はうれしく感じたり、よし、もうひと頑張り!と気持ちが少し上がるものなんでしょうね。
さらにもう一歩踏み込むなら、ふとした瞬間にニックネームで呼んでみるのもおすすめです。
以前、番組にギタリストの野村義男さんをお迎えしたときのこと。名字でお呼びしていたのですが、その気さくで盛り上げ上手なお人柄に、途中、思い切ってニックネームで呼んでみたのです。野村さんの冗談に、すかさず、「“よっちゃん”がそんなこと言っていいんですか?」と。その瞬間、野村さんはテヘヘと頭をかきながら少年っぽい笑顔を返してくれました。
他のゲストのみなさんにも笑いが起き、スタジオ内の雰囲気も一気になごやかに。
急に下の名前で呼ばれて、ちょっとびっくりしつつも、相手をより近くに感じることってありますよね。
ただ、タイミングの見極めは慎重に。出会ってすぐは逆効果です。ほどよくその場の空気が打ち解けてきたところで、例えば「ツッコミ」に乗せて名字以外で呼んでみる。
「ちょっと先生~」「◯◯番長!」「○○姫」など、その方を表すような“肩書”でも、クスッと笑ってもらえそうです。相手に敬意を持って礼儀正しい言葉を重ねていれば、こうして懐に飛び込んでも、ムッとする人はいません。
そして大切なのは、アフターフォローを忘れないこと。
「すみません。ちょっと馴れ馴れしかったですね」
「お話が楽しくて、ついはしゃぎすぎました!」
などと一言付け加えて、敬意と好意をきちんと示すのがワンセットです。
【ここまで聴いてくれたあなたへ】
「あなた」に意識を集中することで、伝わり方は格段にアップする。
(構成/小川由希子)