E-1サッカー選手権で3得点をマークして存在感を示した町野修斗
E-1サッカー選手権で3得点をマークして存在感を示した町野修斗
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 日本代表は国内組のメンバーで戦ったE-1サッカー選手権を2勝1分で終え、2013年大会以来、4大会ぶり2度目の優勝を果たした。これが森保ジャパンにとっての“初タイトル”となったが、その結果以上に注目され、今大会のテーマであったのが「W杯のメンバー入り争い」だった。

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 その中で最もアピールに成功したのは、間違いなく左サイドのドリブラー、相馬勇紀(名古屋)だった。初戦の香港戦での2得点に続き、優勝がかかった韓国戦で重要な先制ゴールをマーク。得点シーンだけでなく、常に前を目指す積極的なプレーはピッチ上の誰よりも目立ち、持ち前の切れ味鋭いドリブルだけでなく、得点力も見せたことは大きなプラス材料になった。W杯などの大舞台で活躍するためにはメンタル面の強さが不可欠になるが、相馬が今大会で試合中に見せていたプレー、表情、振る舞いには、それを予感させる強い意思を感じさせた。

 タイプ的には典型的なサイド突破のドリブラー。右も対応可能だが、やはり左の方が生きる。現状、右サイドは伊東純也が絶対的な存在で、堂安律と久保建英も控える一方、左は南野拓実と三笘薫の争い。だが、南野の適性が中央にあることは明白であり、そうなると左のドリブラーは三笘のみとなる。

 それでなくとも、今回のカタールW杯は過去の大会と異なり、グループリーグが中3日での3連戦になる過密日程。登録メンバーが26人と拡大された中、チーム構成は「同じポジションに2人ずつの22人+4人」にすべき。中島翔哉の復帰や奥川雅也の招集が叶っていない今、サイドのドリブラーを左右2人ずつ連れていくことは戦略上も理にかなっており、東京五輪組も経験し、現在の代表メンバーとの連携にも問題がない相馬の「E-1経由カタール行き」の可能性が高まったと言える。

 もう1人、本大会でのメンバー入りの可能性を高めた選手を挙げるとすれば、20歳のMF藤田譲瑠チマ(横浜FM)だ。香港戦、韓国戦と2試合にダブルボランチの一角として出場。パスが乱れる場面が時折あったが、豊富な運動量で広範囲をカバーしながら、効果的な攻め上がりで鋭いパスを前線に通す場面も多くあった。

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