新型コロナウイルスは働き方や家族関係を大きく変えた。元M-1グランプリ王者で、人気お笑いコンビのNON STYLE・石田明さん(42)が所属事務所の吉本興業に異例の「週休2日」を宣言したのもコロナ禍の“余白”がきっかけだった。3人の娘の父として、夫として「代わりはほかにいない」という現実と、仕事をどう両立するのか。コンビ間でも舞台でも、家族や親子にも共通する石田さん流のコミュニケーションとは。
【写真】「仕事を断るっていうタスクが今一番大きな仕事」と語った子育て中の女性芸人
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――4歳(双子)と2歳の子育て中です。どう感じていますか。
仕事をしていない時は子ども達と全力で遊んで、毎日、生きてるなーという気がします。それぞれしゃべりたい時期なので、3人おると互いに「そんなことしちゃダメでしょ」「そんな言い方しちゃ嫌な気するよ」と注意しあっていて、面白いですね。朝、幼稚園への見送りもなるべく行きたくて、仕事の入り時間を少し遅くしてもらっていたら、今はマネージャーさんが先に調整してくれるようになりました。
――家事もされますか?
特に夫婦で分担はしてないので、空いてる方がやります。奥さんが子どもを送る日は、僕が家の掃除をしたり。参加する意識が周りより高いのは、双子なのがでかいと思います。おむつ替えにしても、同時にやると絶対1人は回ってくるし、常に手が足りないので。
――男性芸人さんは仕事以外の時間も先輩・後輩と飲み会やゴルフ、旅行して……と家を空けているイメージがあります。
僕も行きますよ。ただ、奥さんもお酒が好きなので、僕が「飲みに行っていい?」って言う前に奥さんに「飲んでおいでね」って言われることが多いです。特に舞台はコミュニケーションが必要なので、稽古に入ると「うちは気にせんでええから」「(ギャラより飲んで)どうぞ破産してきてください」って言ってくれる。
――かっこいい!
男前なんですよ。結局「飲みに行きたい」「息抜きしたい」と互いに求めてばかりだと、時間を奪いあうことになる。でも相手に何をやってあげられるか考えていたら、同じことが起きてるのに、お互いが気分のいい状態になる。そういう関係を作れているのかなと思います。
夜、子どもたちが寝た後に奥さんと3~4時間しゃべるのが僕の充電ですね。1日の様子はLINEとか奥さんのブログでわかるんで、「今日は楽しそうやったね」「大変そうやったね」と子どものことを中心に、たわいもないことを。
コンビ間でもそうなんですが、無理にでも話す時間を作らないとギクシャクしたりするし、普段から意見を交換していないと、調整が必要なときに「何よ、こんな時だけ!」って受け入れられなくなるじゃないですか。