高市早苗政調会長は交代との声が多く聞こえてくる。また、党三役の一人、福田達夫総務会長は閣僚ポスト起用もあるとの見方が出ている。
「これまで、高市政調会長は茂木幹事長ともめている、と何度も報じられた。党の内側の話が記事になるのは、かなりギクシャクしている証拠。岸田首相は、茂木幹事長をとり、高市政調会長は切る決断をしたんじゃないか。高市政調会長の後ろ盾だった安倍元首相が亡くなり、派閥にも入っていないからやりやすいのでは。後任は萩生田光一経済産業相で決まりとの声も聞く。岸田首相とも親しく、安倍派だから」
岸田派の元職員で自民党本部の政調担当を長く務めた、政治評論家の田村重信さんはそう推測する。
そうなると安倍派内のパワーバランスにも影響を及ぼすという(安倍派内の後継争いについては8月8日のAERAdot.「『アッキー』不出馬で安倍派分裂がささやかれる後継争い」で詳報)。
「萩生田経産相が政調会長となれば、安倍派の後継者に大きく近づく。政調会長は『大臣3人前』と言われるほど大きなポスト。萩生田経産相よりも年長の塩谷立、下村博文両会長代行は、かなりきつくなるでしょう。今後の派内は、萩生田経産相と松野博一官房長官が軸になって、トップを争うんじゃないでしょうか」
そして、閣僚も半分以上が交代する見込みだという。
二階派の国会議員が話す。
「9月の改造と思っていたらお盆前。予想より1カ月も早い。派閥から推薦を出さないと大変だと、大慌てでやっている。それでなくても非主流派と呼ばれて冷や飯食っているんだから。とにかく、『旧統一教会との関係はないな』と念を押してから推薦するんだ。こんな身体検査は初めてだ」
一方、自ら旧統一教会との関係を明らかにしたのは岸信夫防衛相。末松信介文部科学相、山口壮環境相ら数人の閣僚も同様だ。
「岸防衛相だけは、体調を考えて、という理由で外れるだろう。他の旧統一教会と関係のあった閣僚は、よほどの理由がない限り交代だ。昨年10月の総裁選に勝った後の組閣は、安倍元首相、麻生副総裁にかなり気を使った人事。今回は、岸田首相自身の政策をしっかり遂行できるような配置にするはず。それに、昨年10月の衆院選、今年7月の参院選と2度、国政選挙に勝っていることがポイント。党内では、その功績が大きく評価されているので、より強い力を発揮できる」(前出の田村氏)