――アイドルとして、俳優として多忙な日々が続く。オンとオフをどう切り替えているのか。

永瀬:僕はプライベートに仕事を持ち込むタイプではないんです。家ではなるべく仕事はしたくないので、余裕を持ってセリフを覚えるようにしています。できるだけ移動中にセリフを覚えて、プライベートの時間を大切にすることが、お芝居も含めて仕事に良い影響を与えると思っています。

 仕事と向き合うときは、気負わずリラックスすることを大切にしています。今回のアフレコは僕ひとりだったので、もし手間取っても他のキャストの方には迷惑がかからない状況でした。そこで肩の力が抜けたのも助かりました。

 ずっとお仕事で忙しくさせていただいている中で、僕はそこまで休まなくても大丈夫なんだと気付きました。眠い時はありますが、「本当に無理だ」と思ったことはないんです。それも気楽にやれているからかもしれません。

 どの現場も楽しいです。新しい現場は「初めまして」の人が多いので刺激が多いし、一緒にいるうちにどういう人かわかってきて、「この人めちゃくちゃおもろい。喋りたい!」と思ったりします。

 グループ活動でいうと、毎回これまでにない曲との出会いがあって、新鮮な気持ちでいられます。この仕事は出会いが多いから、いつも楽しめているんだと思います。King & PrinceのMVは、毎回全然違う雰囲気にしようとしています。考えることは多いですが、だからこそ全部が新鮮なんです。

■みんなそう思った

――2022年は「ichiban」でハードなヒップホップダンスのイメージを新たに植え付けた。

永瀬:「King & Princeはこういう曲も歌って踊れるんだ」と思ってくれた人は多いと思います。結果がどうなろうと、前に進むためには変わっていくことが必要だと思っています。「ichiban」は良い方向に進めたのでうれしかったです。

――昨年の紅白歌合戦での気迫溢れる「ichiban」のパフォーマンスが話題になった。

永瀬:去年は5人での最後の紅白でした。あのパフォーマンスは良い最後が飾れたんじゃないかと思っています。お互い口には出さないけれど、みんなそう思ったと思う。

――1月23日に24歳を迎えた。どんな年にしたいのだろうか。

永瀬:小さい頃からエンターテインメントの力を感じてきました。ジャニーズ事務所に入ったことで伝える側になった。僕はすごくたくさんの作品を観たり聴いたりして勉強をするタイプではありませんが、その時に出会った歌、ダンス、お芝居のことをしっかり理解して、どう伝えるかに全力で向き合うのが自分のスタイルだと思っています。

 24歳もいろいろなファンの方、曲、人、作品に出会いたいです。ここ2~3年、いろいろなタイプの映像作品や、いろいろな曲調の楽曲と出会ったことで、たくさんの人がKing & Princeに興味を持ってくれました。またたくさんの出会いがあって、忙しい年になったらいいなと思っています。

(ライター・小松香里)

AERA 2023年3月6日号