杉浦さんは、欠席の連絡について、
「授業前に欠席連絡をしないと原則、補講は受けられないルールでしたが、コロナ感染者に関しては後日の欠席連絡でも補講を実施していました。ただ、その連絡の期日は授業ガイダンスの資料などには明記されていませんでした。期日がしっかりと書かれていれば、感染してかなり苦しい状況でしたが、その期日内に何とか連絡はしていたかもしれません」
と語った。そして、課題の評価についても、
「提出課題の評価が低いということでしたが、納得できないので、コロナ感染時の課題を含めどのような採点が行われたのか教えてほしいと頼みましたが、教えてもらえませんでした。これでは何がダメだったのかわかりません」
と疑問を呈した。
教養学部に、学生らが持つ疑問について質問した。
虚偽申請がこれまでどのくらいあったかについては、
<情報を公開しておりませんので、お答え致しかねます>
との回答だった。
欠席の連絡が1週間以上ないと補講が受けられないことが明記されていたかどうかについては、
<補遺(全受講生が閲覧する資料)3ページの【成績評価など】に、「体調不良などの場合は、必ず実験担当教員に申告し、オンライン課題を希望する場合は受講希望日を1週間以内に上記フォーム(欠席連絡フォーム)から連絡すること」と記載しています>
などと回答した。明言はしなかったが、補講が受けられないとまでは書かれていないようだ。
提出した課題の採点状況を学生に伝えない理由に関しては、
<授業ごとに授業内容や試験・レポート内容を踏まえて、可能かつ適切な範囲で、学生の学習に資するかたちでフィードバックを行うことを推奨していますが、採点結果を公表することを必須とはしていません>
とのこと。
文部科学省は各大学などに「新型コロナの影響下にある学生に寄り添った対応」を求めている。コロナというこれまでに経験したことのない事態で、学生の不安を取り除き、学びを確保することが社会的な要請だ。東大と学生の間に大きな溝が生まれている。
(AERA dot.編集部・吉崎洋夫)