写真:著者提供
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 私も、このように相手の語尾がふと丸くなった瞬間、「本音が聞けた」「知らなかった一面が!」とうれしくなり、自分の心を相手に開きたくなります。

■「人なつっこさ」と「馴れ馴れしさ」の境界線

 ところで、「人なつっこい」と「馴れ馴れしい」の違いとはなんでしょう?

 私は、「相手を不快な気持ちにさせない観察力」と「相手本意であるかどうか」だと思います。いかに「相手にとって心地よい距離感で、相手の重荷にならないか」という配慮。

 小さなあいさつひとつとっても、

<最近どうですか?>

 とざっくり聞かれても、相手にしてみたら「え? 何について?」「何をどのように話せばいいんだろう」と考えてしまい、結局無難に「まあぼちぼちです」ぐらいしか答えられません。

 では、ざっくり丸投げする代わりに、最初から相手の「好きなこと」「興味のあること」をひとつピンポイントで聞いてみる。例えば、映画好きの人には

<どうですか? 映画、最近何か見ました?>

 スポーツ好きの人には、

<いよいよシーズンも始まって、ワクワクしてるんじゃないですか?>

など。相手の「好き」をフックにして、相手にとって話しやすい質問、つまり受け取って返しやすいボールを投げてみる。

 そして投げたら投げっぱなしにしない。「そうそう、最近見たアメリカのドキュメンタリーがおもしろくて」「つい夜遅くまで見ちゃって睡眠不足なんだよー」などと返ってきたら、

<へえ、ドキュメンタリーですか>
<私も雑誌で見ました>

 などと受け止めて、さらにもう一往復ポジティブなやりとりを心がけます。

<ドキュメンタリーでおすすめの作品ってあります?>
<○○さんが注目している人はいますか?>
<さすがお詳しいですね。もうちょっと教えてください>

 など、さらに深掘りしてみる。ただの返事だけでなく、自分の好きなものをしっかり受け止めて興味を持ってもらえると、人は心くすぐられ自然とうれしくなります。

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誰だって話したくないときがある