あの頃は悪いと思ってなかったことが今振り返ってみると、「悪いことしてたな」と感じますが、なかなか振り返る機会がありません。
タイムリープというジャンルの映画があります。主人公が昔にタイムスリップする映画ですね。この「サバカン SABAKAN」は、見ている自分がタイムリープした気持ちになるんです。
そして忘れていた思い出を引きずりだしてくれる。懐かしさと痛さ。
物語の終盤は・・・もう、涙が止まらないです。あの涙はなんだろう。あの頃のあいつに「ごめん」みたいな気持ちにもなったり。
昨日、僕の40歳の友達が映画館に見に行ったら、隣にいた見知らぬおじさんと隣同士で並んで涙腺崩壊・号泣したと言ってました。わかります。その気持ち。
主演は子供二人なんですが、大人の役者も素晴らしい。草なぎ剛さん、竹原ピストルさん、尾野真千子さん、貫地谷しほりさん、そして・・岩松了さん。泣いてしまうやろーです。
竹原ピストルさん演じる主人公の父親。こんな父親になりたいと思わせてくれます。
監督は「あいのり」でも人気だった「金ちゃん」こと金沢知樹の初監督作。色んな経験してきたからこんな素敵な映画が作れるんだな。X世代がきっと泣く、自分タイムリープ映画「サバカン SABAKAN」。名作誕生。
■鈴木おさむ(すずき・おさむ)/放送作家。1972年生まれ。19歳で放送作家デビュー。映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。パパ目線の育児記録「ママにはなれないパパ」(マガジンハウス)、長編小説『僕の種がない』(幻冬舎)が好評発売中。漫画原作も多数で、ラブホラー漫画「お化けと風鈴」は、毎週金曜更新で自身のインスタグラムで公開、またLINE漫画でも連載中。「インフル怨サー。 ~顔を焼かれた私が復讐を誓った日~」は各種主要電子書店で販売中。コミック「ティラノ部長」(マガジンマウス)が発売中。原案・脚本を担当した「運命警察」(テレビ東京)がOA中。