産業(企業)と学問(大学)の枠組みを超えて行われる産学連携は、大学の研究成果や技術を経済活動に結びつけられ、学生にとっても実践的な学びとなる。産学連携に熱心な大学は? 発売中のAERAムック『就職力で選ぶ大学2022』(朝日新聞出版)から紹介する。
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2022年4月、東京大学生産技術研究所と日立製作所は、「ビッグデータ価値協創プラットフォーム工学」社会連携研究部門を設置した。両者は共同名義で次のように説明する。
「東大生研と日立の双方が持つ英知を結集し、ビッグデータ解析基盤などの先端的情報技術を礎として、データプラットフォームによる社会課題の解決を推進し、持続可能な社会の実現に貢献してまいります」(同年4月4日)
東京大、日立製作所は、21年から「非順序型実行原理を用いたビッグデータ分析の高度化に関する研究」を行っており、その一つとして「ビッグデータを活用し価値協創を推進するプログラム」を立ち上げている。
わかりやすくいえば、私たちが営む日々の生活、社会や経済活動では、デジタル化が急速に進展し、その一つひとつの活動がデータとして記録されるようになった。これらのデータは、私たちの生活や社会を向上させるために、新たな産業を発展させる力を秘めている。
そこで、データを精緻に解析できる処理能力、データを活用できるフレームワークづくりが求められている。東京大、日立はそう考えた。こうして、両者は最先端技術を組み合わせて、その役割を担おうとしているわけだ。
たとえば、私たちの生活に何が求められているか、企業はどのように商品を開発していったら良いのか、という未来へ向けての準備を進めてくれる。
このような大学と企業が一緒になって進める取り組みを産学連携という。産業(企業)と学問(大学)の枠組みを超えて、双方に英知を融合させて新しい研究、開発などが進められることだ。
産学連携が熱心に行われている指標として、外部資金の受け入れ、共同研究と受託研究の実施状況がある(外部とは企業のこと)。それぞれのランキング上位校を見てみよう。