また、監督として選手からの信頼も厚い。ノンビリとした性格がチーム全体の潤滑油にもなっており、雰囲気の良さは折り紙付き。9月8日のソフトバンク戦の後には、福岡市内のチーム宿舎で、選手、コーチ、チームスタッフから1日早い誕生日の祝福を受けた。選手からはナイキとティファニーがコラボした高額スニーカーをプレゼントされたという。「この球団で勝ちたい」と思っている選手が多いのは間違いなさそうだ。

「負けず嫌いの石井監督が最も勝ちたがっている。米国時代、自宅に関係者を招いて開催したテレビゲーム大会でも負けるのを嫌った。勝つまで続けて明け方になったこともある。ヤクルト西武時代にトレーニングでやっていたサッカー・フットサルも本気でやっていた。現状の不甲斐なさに対して悔しさをを一番感じており、誰よりも勝利を望んでいる」(楽天担当記者)

 マスコミへの受け答えなどから「天然」「宇宙人」と形容されることもある石井監督。しかし勝負に対するこだわりは誰よりも強い。監督を兼任する以前からGMとして立てた周到なプランが頓挫したままで逃げ出すわけがない。「石井一久の大逆襲」を見せようと、今も色々と思考を巡らせているはずだ。