■しっかりするのは子どもである自分

「しっかりしてよ」、その言葉は親に向けてのものではなく、自分自身が受け止めるべき言葉です。しっかりするのはあなたのほうなのです。

　親子の関係が逆転してもなお、親は自分の老いを見せることで、あなたに「老いるとはどういうことか」を示そうとしてくれています。覚悟、とまではいいません。せめて親の老いに向き合い、親を世話することを受け入れる姿勢をとる準備をしてほしいと思います。

（構成／別所 文）

高口光子（たかぐちみつこ）

元気がでる介護研究所代表

【プロフィル】

高知医療学院卒業。理学療法士として病院勤務ののち、特別養護老人ホームに介護職として勤務。2002年から医療法人財団百葉の会で法人事務局企画教育推進室室長、生活リハビリ推進室室長を務めるとともに、介護アドバイザーとして活動。介護老人保健施設・鶴舞乃城、星のしずくの立ち上げに参加。22年、理想の介護の追求と実現を考える「高口光子の元気がでる介護研究所」を設立。介護アドバイザー、理学療法士、介護福祉士、介護支援専門員。『介護施設で死ぬということ』『認知症介護びっくり日記』『リーダーのためのケア技術論』『介護の毒（ドク）はコドク（孤独）です』など著書多数。https://genki-kaigo.net/　（元気が出る介護研究所）

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