そして迎えた最終日、不動は一時、5ストローク離されるが、後半に入って宮里が崩れるのを尻目にじわりじわりと差を詰め、宮里が17番でボギーを叩いたことで逆転に成功。最終ホールをパーで逃げ切り、宮里に女王の貫禄を見せつける結果となった。

 今をときめくツアーのヒロインたちの多くは、宮里に憧れゴルフを始めた。その宮里は、不動という高い壁を超えるために腕を磨いたことで、『〇〇世代』たちの手本となった。つまり、現在のツアーの盛り上がりがあるのは、不動という存在があったから。

“絶対女王”不動を語る時は、6年連続賞金女王や通算50勝、永久シードなど記録に特化しがちだが、実はこうした次世代への影響力こそが、不動が女子ゴルフ界に刻んできた一番の偉業なのだろう。

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