広がる一方の旧統一教会問題。信者をだまして高額商品を買わせる「霊感商法」の被害が明るみになっているが、AERA dot.編集部は「霊感商法」で使われていた商品「カタログ」を入手した。高額の価格表もついている。元信者の証言では、商品を買わされた被害者がクレームを入れて返金があっても、教会が大儲けできる仕組みがあることもわかってきた。
【画像】「霊感商法カタログ」商品の内容と価格表はこちら(全6枚)
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「こういうカタログを片手に売り歩いていました。カネ持ちそうな人には、高い商品を売りつける。そう指導されていました」
と話すのは、旧統一教会(現世界平和統一家庭連合)の元信者。手にしているのは、上質紙で製本された手のひら大の「BIBLE series【聖書シリーズ】」と題されたカタログだ。
そこには、輝いたペンダントや指輪の写真が並んでいる。よくある宝飾品のカタログに見えるが、実は旧統一教会が霊感商法に使っていたものだ。
このカタログが使用されはじめたのは、1980年代から1990年代にかけて。旧統一教会の霊感商法が社会問題化した後だ。
「霊感商法と言えば、壺や印鑑、多宝塔などがその象徴です。旧統一教会の霊感商法は、S展と呼ばれる壺や多宝塔の展示会を口実に来てもらい、その人の資産などに応じて適当な値段をつけて売りつける手口でした。ちなみにSはストーン、壺を意味する旧統一教会の隠語です。『壺ではすぐに霊感商法、統一教会とバレてしまうから、宝飾品に』ということで、ペンダント、指輪などに変わったのです」
と元信者は話す。ちなみに、宝飾品の展示会は「ブルー展」と呼ばれていたそうだ。
カタログを見ていくと、
「真の家庭・祈り」
と題のついたペンダントと指輪がある。説明には、
<中央のルビーは、すべてを溶かして和合させる愛の溶鉱炉です。ルビーを中心に4方向のダイアの流れがあります。上下は親子の通いあう心>
<「家庭」という小さな単位の天国が一つでも多くつくられることを願って、つくられました>
などと記される。
「母子の愛」というペンダントは、
<優しく広い母の心をローズクォーツが表し、その愛の深さをルビーが教えています>
「愛の訪れ」というペンダントは、
<ルビーは天の祝福の訪れ。白蝶貝は、母の温かい愛の心>
などと、まさに旧統一教会の創始者、文鮮明氏の「教義」がそのまま宣伝文句になっているようだ。