AERA dot.も8月15日の記事で、旧統一教会の「十八番」である壺や石塔の原価(1986年時点)について、
<壺が約3万円、石塔が60万円程度>
と報じている。
原価の何十倍もの高値で売るわけだから、クレームに応じて7割以上を返金しても教会は大儲けできる仕組みだ。宝飾品も同様に原価は激安だという。
「宝飾品はカタログにあるように定価が書かれているだけマシ。壺、多宝塔は相手の財産、貯金などで売値が変わっていた。クレームがあったときの返金の条件は、宝飾品の返品です。戻ってきた商品は、また霊感商法で別の人に売りつけるので、すぐに誰かの手に渡っていく」(元信者)
加納弁護士もこう話す。
「旧統一教会側は、返品する際に宝飾品の箱の角が破損していると、返金額を減らすように求めてきたこともある。返品したものを再販売するつもりで和解していたと感じた」
返品されたものを再販売するのだから、教会の儲けはさらに大きくなる仕組みだ。
ちなみに、安倍晋三元首相銃撃事件で逮捕された山上徹也容疑者は、母親の旧統一教会への多額の寄付が原因で家が破産に追い込まれたと供述している。山上容疑者の母親のことを知る別の元信者は、こう語る。
「山上容疑者のお母さんに誘われてご自宅にうかがったことがあります。その時、壺や印鑑、ペンダントがたくさんありました。教会にかなり買わされたのでしょう。それが家庭崩壊、山上容疑者の犯行につながったと思う」
山上容疑者の事件後、旧統一教会は一貫して、
「霊感商法に関与したことはない」
「信者の会社がやっていたこと」
などと説明してきた。
だが、加納弁護士の訴訟資料などを見ると、宝飾品を販売していた会社の社長や役員は、旧統一教会の信者が大半だ。旧統一教会の幹部が、交渉相手の物品販売会社について、
<物品については信者の会社であり、連絡先は以下の通り>
と返答していることでも、「関与していない」という旧統一教会の主張が破綻している一端が読み取れる。