記者がMidjourneyで生成した渋谷の風景。「ゴッホ風のスクランブルスクエア」。思い通りの絵を生成するのは難しく、プロンプトの勉強が必要だと実感
記者がMidjourneyで生成した渋谷の風景。「ゴッホ風のスクランブルスクエア」。思い通りの絵を生成するのは難しく、プロンプトの勉強が必要だと実感

 また、「Stable Diffusion」はオープンソース化して公開されたため、画像生成AIは日進月歩の進化を見せる。日本でもこのソースを利用したAIが開発された。LINEで使える「お絵描きばりぐっどくん」や、AIお絵描きアプリ「AIピカソ」などがそれにあたる。

「AIピカソ」は、「Stable Diffusion」の公開から4日ほどで開発された。日本語テキストを入れると画像を生成することができ、スマホにアプリをダウンロードすればすぐに使える。開発に携わった筑波大学大学院で情報工学を学ぶ冨平準喜さん(25)はこう話す。

「『Stable Diffusion』がオープンソースで公開されてからすぐに3、4人の開発者が、ハッカソン形式で開発をすすめました」

■美術コンテストで1位

 冨平さんは大学院でAIの研究をしており、研究室のメンバーでベンチャー企業「AIdeaLab」を立ち上げている。冨平さんたちは以前からAIの画像生成技術に関心があり、実際に数年前からアプリの開発も手掛けていた。けれども、当時の画像生成技術の精度では限界があったことと、開発費用と時間の壁が立ちふさがり、開発はストップしていた。

「『Stable Diffusion』の場合、AIに学習させるときに、テキストと画像をペアで英語学習させているのですが、だいたいそれが、58億枚の画像とテキストで学習していると言われています。時間でいうと14万時間、費用もトータルで1億円ほどかかると考えられます」

 そんな手間も時間もお金もかかることが、まさかオープンソースになるとは思いもしなかったという。8月31日にリリースされた「AIピカソ」のiOS版はリリース直後にApp Storeの無料APPランキングで1位にランクイン。約1カ月後には、アンドロイド版も公開した。

「今後はAIピカソを使ったイラストをユーザーが投稿し、それを検索できるような素材サイトや、漫画に特化したようなAIを開発していく予定です」

 高性能な画像が簡単に作れるがゆえに課題も出てきた。8月、アメリカのコロラド州で行われた美術コンテストで、「デジタルアート・デジタル加工写真」の分野で1位を取ったのが、「Midjourney」で作った作品だった。このことは賛否が分かれ、物議をかもした。

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