「国葬させない女たちの会」に参加した20代の女性(撮影/上田耕司)
「国葬させない女たちの会」に参加した20代の女性(撮影/上田耕司)

 27日に執り行われる安倍晋三元首相の国葬に反対するデモや集会が、主に都市部で開かれている。市民グループは当日、国葬と同時刻、国会正門前での集会なども予定している。9月に入ってから、首都圏で繰り広げられたいくつかの集会をルポした。

【写真】新宿で中野で、記者が見た「国葬反対」デモや集会

※記事前編<<【ルポ】ピンク色のプラカードで安倍元首相「#国葬反対」掲げて デモで見えた「強行」への反発>>から続く

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 9月10日、東京・新宿駅南口で開かれた集まりに行った。「国葬させない女たちの会」とNPO法人「アジア女性資料センター」が行った集会には、120人が参加した(主催者発表)。女性が7割ほどで、年齢層は幅広い。

 友人とともに参加していた20代の女性にも話を聞いた。

「今、フリーターです。ネットで調べて来ましたが、何か行動したかった。ツイッターで行動するのも大切だと思うけど、リアルで顔が見える集会に参加したかった。きょうはリレートークが見られて満足です」

 41歳と38歳の姉妹で参加した2人組。妹のキキさんは「国葬の撤回 愚行をチャラにはさせない」、姉の里子さんは「純粋な一般人です」というプラカードを持っていた。

「国葬させない女たちの会」に参加した姉妹(撮影/上田耕司)
「国葬させない女たちの会」に参加した姉妹(撮影/上田耕司)

 姉いわく、集会やデモに「ちょこちょこ参加している」。一般的に、デモには若者の参加が少ないことをこう感じていた。

「もしかしたら『国葬』という言葉にピンときていないのかもしれないですね。私たちはデモに2011年から参加しているんですけど、基本的には30代40代の方って仕事で忙しい。それに、稼ぎたい時期だからノンポリみたいになっていく。もちろん、人が亡くなったことに対して反対するのに抵抗があるという人もいるでしょう」(姉の里子さん)

リレートークでアピール

 ジェンダーの観点からも国葬に反対だと話した。こう続ける。

「安倍元首相の政治というのはジェンダーのバックラッシュ(反動)だった。フェミニズムやマイノリティー、セクシュアリティーの問題をつぶしてきた」

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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