思わず口をついて出たのが、「ちょっと待ってください、ギャップがずるいです!」。
相手の魅力ポイントをよい意味での「ずるい!」のツッコミ視点で表現するのです。ツッコミだと相手の笑いも誘いやすく、聴覚的にも、「いかにもお世辞」にはならないので、相手にも一緒に「ワハハ」と笑いながら受け取ってもらえます。
■そこに、下心はあるか?
ほめとお世辞の違いは、下心があるかないか。
お世辞は、言うほうも言われたほうもなんとなくギクシャクしてしまいます。なぜなら「願わくば、相手の機嫌をとって、自分の思うようにコトを運んでやろう」という打算と、「見えすいたことを言って……警戒しなきゃ」という感情がぶつかり合ってしまうから。
「ほめ」は、ただただ「いいな」と思った相手のポイントを自分の素直な言葉で伝えること。それ以上でもそれ以下でもありません。
たどたどしくても本心から出た言葉であれば、何も心配することはありません。そもそも見返りを求めないので、相手もお世辞だと誤解せず、受け取ってくれます。
やっぱり照れるかもしれませんが、「伝えてよかったな」「素敵な言葉をもらったな」と自分も相手も記憶に残るやりとりは、お互いちょっとした気恥ずかしさを乗り越えた先にあるのではないでしょうか。そんな気持ちを共有するからこそ、2人の間に特別な絆が生まれると思うんですよね。
【ここまで聴いてくれたあなたへ】
「ちゃんと私を見てくれていたんだ!」とうれしくなったのは、
どんなほめ言葉でしたか?
(構成/小川由希子)