放送作家・鈴木おさむさんが、今を生きる同世代の方々におくる連載『1970年代生まれの団ジュニたちへ』。今回は、ファンがライブに求めることについて。
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たまにアーティストの方が「あの曲はもう歌いたくない」とか言って、ライブでファンが一番聞きたい曲を歌わなかったりするときがあります。または、歌っても変なアレンジになって、「それじゃない感」を感じたり。とてもガッカリします。
ファンだってライブに行くのは毎回じゃない。しかも、年を重ねてきて結婚や出産をしたりすると、なかなか自分の時間を見つけにくい。その中で時間とお金をやりくりして行ったライブで、その人のこだわりで聞きたいヒット曲を聞けないのは、アーティストのこだわり以上に、サービスの上に成り立つエンタメとしてどうなんだろうと思ってしまう昨今。
月~金曜の朝8時から放送されている文化放送の「おとなりさん」というラジオ番組があり、水曜を僕がパーソナリティーとして担当させて頂いているのですが、なんとマッチこと、近藤真彦さんが生出演してくれたのです。
僕の曜日は、80年代・90年代を中心に、自分で毎回選んだ曲を30分以上かけるコーナーがあるのですが、ダメもとでマッチさんに声をかけてくれないかとお願いしたところ、来てくれたのです。
マッチさんは1980年にデビューしました。僕が8歳の時でした。4歳年上の姉が毎週、たのきんトリオ(田原俊彦、野村義男、近藤真彦)とアイドルらが出演していたバラエティ番組「たのきん全力投球!」を見ていたので、僕も「おもしろいお兄さんたちだな」という感覚で見るようになりました。
姉が田原俊彦さんのレコードを買い、僕は自分のお小遣いでマッチさんのレコードを買いました。自分のお小遣いで初めて買ったレコードがマッチさんの「スニーカーぶる~す」だったと思います。やんちゃなイメージのマッチさんが小学生の僕にはすごく格好よく見えました。かなりレコードも買いました。映画も見に行きました。