アイドルでデビューしたマッチさんでしたが、レコード会社をソニー・ミュージックレコーズに移籍したころからアイドルからアーディストに変わっていきます。「愚か者」のヒットでそれは確実になりました。

 マッチさんは僕にとっての永遠のヒーローなんですよね。そんなマッチさんが番組に来てくれて、自分で選んだマッチソングをマッチさんに説明している。あの頃の自分に言ってあげたい。

 マッチさんから明かされるマッチソングの伝説。「ブルージーンズメモリー」という曲では、曲中に「さよならなんて言えないよ バカヤロー」とセリフを叫ぶシーンがあるのですが、実はあそこは「好きだ 好きだ 大好きだー」だったらしいのですが、マッチさんが「これは恥ずかしい」と言って、変わったものが「バカヤロー」なんだと。

 昔の曲の話を避けることなく全力でしてくれるマッチさん。

 マッチさんは現在、ライブツアー中。今回は今まで行かなかったような場所も回っている。

 そしてセットリストは、聞きたいヒット曲ばかりだと。「ハイティーン・ブギ」のB面、山下達郎さん作曲による名バラード「MOMOKO」も歌っているのだとか。それを歌うと、ファンの人が無言になっているのだとか。

 無言じゃない。泣いているんですよ。号泣している人もいるでしょう。

 マッチさんは番組で言いました。「懐メロって言われたっていいんだよ! 懐メロでいいじゃん! ライブでそれを聞きにきてくれた人たちが、昔のこと思い出したりして、また次の日から頑張れるんだから」と。なんかその言葉聞いて泣きそうになりました。それです。それを求めているんです。

 当時10代だったファンは、50代になっている人が多いでしょう。人生、生きていると、悲しいことやしんどいことが多くなっていきます。そんな中、行くライブで、あの頃の思い出を引っ張り出して、パワーをもらえる。

 僕の永遠のスター、マッチさんは、58歳になっても格好いいマッチさんだったな。

鈴木おさむ(すずき・おさむ)/放送作家。1972年生まれ。19歳で放送作家デビュー。映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。パパ目線の育児記録「ママにはなれないパパ」(マガジンハウス)、長編小説『僕の種がない』(幻冬舎)が好評発売中。漫画原作も多数で、ラブホラー漫画「お化けと風鈴」は、毎週金曜更新で自身のインスタグラムで公開、またLINE漫画でも連載中。「インフル怨サー。 ~顔を焼かれた私が復讐を誓った日~」は各種主要電子書店で販売中。コミック「ティラノ部長」(マガジンマウス)が発売中。

暮らしとモノ班 for promotion
大人のリカちゃん遊び「リカ活」が人気!ついにポージング自由自在なモデルも