皇室ジャーナリストの渡邉みどりさんが9月30日、都内の自宅で死去した。享年88。葬儀は関係者によって執り行われた。
渡邉さんは日本テレビで皇室報道や昭和天皇崩御の特別番組の責任者を務め、退職後はフリージャーナリスト、評論家として60余年にわたり皇室や各国王室について著作やテレビ番組などで精力的に発信を続けてきた。特に、美智子さまに関する多数の著作物を残した。著書に『心にとどめておきたい 美智子さまの生き方38』(朝日文庫)、『英国王冠をかけた恋』(朝日文庫)などがある。
関係者によると10月初めごろ、編集者が都内で独り暮らしをしている渡邉さん宅を訪ねたところ、リビングで倒れている渡邉さんを発見し、警察に通報。検死解剖や自宅の様子から、亡くなったのは9月30日昼ごろと推定されているという。死因は不明だが、事件性はないとみられている。お別れの会は後日、開かれる予定。
渡邉さんは2019年に週刊朝日のインタビューで、自身と同じ1934(昭和9)年生まれの上皇后・美智子さまについて「皇太子殿下(当時)との結婚が発表される以前からその名前を存じ上げていました」と明かし、日本テレビ入社3年目に中継スタッフとして携わったご成婚祝賀パレードをきっかけに皇室特番の制作に進み、「強い思い入れを持って、美智子さまを追いかけ続けることになりました」と語っていた。そのほか同インタビューでは、元国会議員の故・古屋亨氏の婚外子であることを告白し、「普通の家庭への憧れ」が仕事に励む一つの原動力になっていたことを語っていた。
渡邉みどり(わたなべ・みどり)/1934年、東京生まれ。早稲田大学卒業後、日本テレビ放送網入社。80年、ディレクターとしてドキュメント番組「がんばれ太・平・洋─三つ子15年の成長記録」で日本民間放送連盟賞テレビ社会部門最優秀賞受賞。59年の皇太子成婚パレード中継など皇室報道で活躍し、昭和天皇崩御報道では総責任者