家計管理事情が見えてきたところで、お小遣い制度について見ていこう。世帯の家計管理を自分もしくは配偶者・パートナーのどちらかがしている人に「お小遣い制ですか?」と聞いてみると、回答は「いいえ」が42%(男性25%、女性17%)で、「はい」の38%(男性23%。女性15%)を上回った。それでも、まだ4割近くがお小遣い制で、最も多かった金額は「2万円以上3万円未満」が14%(男性9%、女性5%)で、続いて「1万円以上2万円未満」11%(男性7%、女性4%)だった。「アラウンド3万円」な感じを境に、「必要な時に必要な額をもらう」9%(男性5%、女性4%)、「3万円以上4万円未満」8%(男性5%、女性3%)、「4万円以上10万円未満」7%(男性5%、女性2%)と、お小遣い制とはいうものの「お小遣い富裕層」みたいな人もいるようだ。
そんなお小遣い制だが「不満はありますか?」の設問に「はい」と回答したのは、わずか8%(男性6%、女性2%)。多くの人は現状に不満はないようだ。しかし、不満のある人たちの意見は切実だ!
「あと1万円は欲しいですねぇ」(60代以上男性/神奈川県)
「もう少し金額を上げてほしい」(50代男性/愛知県)
金額アップもそうだが、お小遣い制そのものへの不満も少なくない。
「金額が相手の意向で決められてしまうからです」(40代男性/山梨県)
「自分の稼いだお金を自由に使えない」(60代以上男性/愛知県)
「収入が増えても増えない」(50代男性/岡山県)
「出費が多い月に困る」(40代男性/愛媛県)
「食事代込みで遊興費が足りない」(40代男性/新潟県)
声を拾ってみると、男性からのボヤキが多いのも興味深い。「物価が高い」(40代男性/奈良県)という意見もあり、値上げラッシュのいまは、とくに切実な悩みかもしれない。(AERA dot.編集部 太田裕子)
後編に続く>>【夫婦のお財布事情2000人アンケート】「俺が稼いだ金」「稼ぎが少ない」相手に最も言われたくない言葉は?
岡野あつこ/夫婦問題研究家、パートナーシップアドバイザー。立命館大学産業社会学部卒業、立教大学21世紀社会デザイン研究科修了。1991年に離婚相談室を設立。近著に『夫婦がベストパートナーに変わる77の魔法』(サンマーク出版)。