岸田文雄首相
岸田文雄首相

――国はコロナ政策の全体像を語り切れていないという指摘も以前からあります。

 いまこういうことが起きている、こういった課題がある、今後はこうしないといけない、グランドデザインはこうだ、と国がはっきりと繰り返し説明する必要がありますが、ここがズボッと抜けています。「クライシス・コミュニケーション」と呼ばれるものですが、分科会の尾身茂会長が代わりにそれをやっているような状況も一時期ありました。

 本来であれば、これは国の新型コロナウイルス対策本部長である首相や厚生労働省の医務技監の仕事なのでしょう。医務技監は厚労省の官僚の中で医師資格を持っている人のトップです。政府は「内閣感染症危機管理統括庁」を来年度につくろうとしています。そこに医務技監のポジションが位置づけられますが、そうした役割を期待したいです。

 国民は首相の口から長期のコロナ復興プランを聴きたいと思っているのではないでしょうか。これから先の施策変更プランを描いて、あそこに向かうんだ、ということを示す必要があると思います。今の状況がずっと続くような思いをさせてはいけないです。

――次のコロナ対策のポイントはなんでしょうか。

 徹底的なオンライン診療でしょう。コロナの対面診療を嫌っている医療機関が多いのも事実です。家の抗原検査キットで陽性だったら、オンラインで診察して、薬も家に届くようにする。こうした医療提供体制が必要になっています。神奈川県でもこの体制を検討しているところです。これが第8波対策の鍵になってくると思っています。

――第8波にインフルエンザの流行が重なったらどうなるのか、という不安もあります。

 第8波もペーパーで示した方向性で対応できます。インフルの流行を見越して、上乗せの対策は必要です。具体的には今いったようなオンライン診療です。医療が逼迫しないようにするためには、医療機関にかかるべき人がかかり、かからなくいい人は徹底的にかからないようにするのが必要です。オンラインは第8波に向けて準備していかないといけない施策なんです。

(聞き手/AERA dot.編集部・吉崎洋夫)

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吉崎洋夫

吉崎洋夫

1984年生まれ、東京都出身。早稲田大学院社会科学研究科修士課程修了。シンクタンク系のNPO法人を経て『週刊朝日』編集部に。2021年から『AERA dot.』記者として、政治・政策を中心に経済分野、事件・事故、自然災害など幅広いジャンルを取材している。

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