神奈川県公表資料より
神奈川県公表資料より

――抗原検査キットがそこまで有効に機能するのでしょうか。

 2021年に行った県の調査で、40代以下では何らかの症状があっても医療機関を受診しない人が4割もいました。また、受診しない人のうち、通勤・通学を控えない人も40代以下で4割でした。他方で、抗原検査キットで陽性が出たら「受診する」「通勤・通学を控える」と回答した人は、9割以上になりました。実際に抗原検査キットで陽性になった人を対象に行った調査では、98%が「通勤・通学や外出を控えた」ということでした。「今日は調子が悪い」と思ったら、体温計で熱を計る感覚で、キットで検査する。このように国民がセルフチェックを行える状況をつくれば、感染を一定数に抑えながら、社会経済活動を回していくことができると思っています。

――抗原検査キットの精度が低いという指摘もあります。

 去年、抗原検査キットを分科会のメンバーなどが集まるミーティングで提案したら、同じように主張し、反対する人が多くいました。個々の視点で見れば、確かにPCRに比べて精度は低いです。しかし、何千万人という多くの人を対象にして考えたとき、抗原検査キットが使えるようになることで、自ら受診しよう、自宅待機しようという意識転換につながるというメリットのほうが大きいです。

――一般の医療機関でコロナに対応できるのでしょうか。

 こちらもそのための準備を進めています。アドバイザリーボードメンバーで、分科会メンバーでもある舘田(一博)さんに環境感染学会に声をかけてもらい、今年の6月に新しい感染管理の提言をしてもらいました。一番大きなポイントは、これまでコロナ患者を受け入れるときは専用病棟をつくり病棟単位で管理していたのを、病室単位での管理で十分としたことです。これにより、ベッドを柔軟に運用することができるようになりました。

――一般の医療機関では感染対策の負担が大きい印象があります。

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