Q 自宅から離れたところにある病院でがんの治療を受ける場合、どんなことが大変でしょうか?

A 治療によっては体への影響が出て、具合があまりよくない状態で通院するのが、大変になる場合があります

 治療する病院を選ぶには、主な治療とその後も続く治療や定期的な受診を想定することが大切です。

 最近では、薬物治療など、入院ではなく通院で治療がおこなわれることも増えています。「電車で片道1時間半かかる。通院できるだろうか」などと心配する人もいるでしょう。車で病院まで移動する場合にも、体調が優れないことで車の運転ができず、通院が難しくなる場合もあります。

 治療の影響で副作用が出たり、眠気などの症状や疲れなどで体調が万全ではないなか、電車などでの長時間の移動や車の運転は、できれば避けたいところです。体調が優れないときは、家族や友人など身近な人に、付き添いをお願いすることも大切です。またあらかじめ、付き添いをお願いできそうな人がいるかどうかも考えて病院選びをするのも大切です。

 近くに希望に合った病院があればよいですが、がん診療連携拠点病院などがんを専門に診てくれる病院がない、自分のがんに詳しい医師が近くにいないなど、離れた病院にかからざるを得ないこともあります。

 その場合、通院でおこなわれる治療を入院して受けられるように希望することも可能です。また、宿泊費がかかりますが、病院近辺の宿泊施設に滞在して治療を受けるという方法もあります。

 周辺の比較的安価な宿泊施設、離島に住む人への旅費や宿泊費の補助などについて、がん拠点病院の相談窓口(がん相談支援センター)が把握していることもあるので、聞いてみるとよいでしょう。

 病院が遠いと、通院での治療期間中に自宅で具合が悪くなった場合の受診、治療後の経過観察のための受診も大変になってきます。このようなことも想定して、通院中に具合が悪くなったときの対応や、近くの病院や診療所を受診して対応してもらうことができるかどうか、あらかじめ担当医に相談しておくとよいでしょう。医師に相談しにくい場合には、がん拠点病院の相談窓口(がん相談支援センター)で、治療の受け方や通院についての心配なことを相談して、自分にあった治療方法、病院の選び方を一緒に考えてもらうことも可能です。ぜひ利用してみてください。

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