安田大サーカスのクロちゃんが、気になるトピックについて"真実"のみを語る連載「死ぬ前に話しておきたい恋の話」。今回のテーマは「松竹芸能」。今年で松竹芸能に入って22年になるというクロちゃん。事務所移籍はめずらしくない芸能界だが、松竹芸能を離れるつもりは一切ないという。しかし、売れていく後輩芸人に関しては「辞めろ」とひねくれた思いを抱くことも少なくないようだ。クロちゃんにとって、松竹芸能とはどういう存在かを話してもらった。
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ボクが松竹芸能(以下・松竹)に入って、今年でもう22年になる。後輩芸人もたくさん入ってきて、気づけば、ボクも、それなりのベテランになった。
思い返せば、松竹に入る直前のボクは、アイドルになることを目指していて、大手の芸能事務所に、自分の歌を吹き込んだカセットテープをよく送っていた。歌は、松田聖子さんの「渚のバルコニー」。たぶん、10社以上は送ったんじゃないかな。
基本的に、オーディションを開催しているような時期じゃないと、カセットテープなどを送ってもあまり意味がないんだろうけど、当時のボクは、そんなことも知るわけもなく、なんとかきっかけをつかみたくて、必死だったのを覚えている。中には、不合格の内容を記すお手紙をくれた事務所もあったけど、ほとんどの事務所からリアクションはなかった。
そんな時に、「こんな募集があるよ」と友人が教えてくれたのが、松竹の「アイドル部」のオーディションだった。「松竹ってお笑いの事務所じゃないの?」。最初は、そんな感想を持ったと思う。当時のボクは、松竹のことをほとんど知らなかったからね。
そのオーディデョンが縁となって、ボクは松竹芸能に入ることになった。結局、松竹にだまされて、ボクはアイドルになることはできず、今は、芸人をやっている。まだアイドルは諦めてないけどね。
松竹は、ほんとによく「イジられる」事務所だと思う。
ここ数年は、さらば青春の光、お見送り芸人しんいち、Aマッソ、エレキテル連合など、松竹をやめてから注目されるコンビやピン芸人が多いことをよくネタにされている。
事務所を離れていく理由は、それぞれだと思うけど、まあ、合う合わないみたいなことは絶対あるよね。詳しく聞いたことはないけど、事務所の方針やマネージャーの売り出し方に納得がいかないとか、いろいろあるんじゃないかな。他の事務所と比較しちゃったりすると、余計にね。事務所によって考え方は違うだろうから、こういうことは必ず起きてくる。だから、その事務所でいまいち仕事がうまくいかないなら、離れていくのは仕方ない。