「家電手放し、生活豊かに」。元朝日新聞記者の稲垣えみ子さん
「家電手放し、生活豊かに」。元朝日新聞記者の稲垣えみ子さん

 稲垣さんはとにかく、その生き方を楽しんでいるのが素晴らしい。

 うちには電気のためではないが、電子レンジがない。数年前に妻の提案で電子レンジをやめた。最初、僕は反対した。電子レンジに頼りまくりの男だったからだ。

 だけど、慣れてくるものだ。レンジでチンしていたものは、フライパンや鍋で再加熱したり、蒸かしたり。手間はかかるが、結局、おいしくなる。最初は面倒くささがあったが、慣れてくると、それが当たり前になり、心地良ささえ感じている。

 電子レンジのない生活なんてありえないと思っていたが、今となっては僕の中では当たり前となっている。

 コンビニのお惣菜コーナーでハンバーグなどをよく買う。電子レンジと湯煎方法があるのだが、当然僕は湯煎である。電子レンジだったら1分だが、湯煎だとお湯を沸かしたりして10分近くかかる。だけど、嫌じゃないのだ。今は湯煎の方がおいしいと思っているから。

 冷凍食品でレンジのみのものがあるが、それは選ばない。

 なかったら、ないなかで試行錯誤して、自分の心地よさを見つけていく。

 稲垣さんの話を聞いて、さすがに冷蔵庫をなくすのは無理だが。エアコンをなんとなくつけるのはやめようと思った。それでストレスを感じているのだから。

 まずは湯たんぽを買って、冬の心地よい睡眠を探そう。

 便利だと思っているもので、実は小さなストレスを感じている。これ、もっと見つけて、変えていこうと思えました。

 稲垣えみ子さん、ありがとうございます。

鈴木おさむ(すずき・おさむ)/放送作家。1972年生まれ。19歳で放送作家デビュー。映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。パパ目線の育児記録「ママにはなれないパパ」(マガジンハウス)が好評発売中。漫画原作も多数で、ラブホラー漫画「お化けと風鈴」は、毎週金曜更新で自身のインスタグラムで公開、またLINE漫画でも連載中。「インフル怨サー。 ~顔を焼かれた私が復讐を誓った日~」は各種主要電子書店で販売中。コミック「ティラノ部長」(マガジンマウス)、長編小説『僕の種がない』(幻冬舎)が発売中。企画・脚本を担当したABEMAオリジナル連続ドラマ「覆面D」が配信中!

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鈴木おさむ

鈴木おさむ

鈴木おさむ(すずき・おさむ)/放送作家。1972年生まれ。19歳で放送作家デビュー。映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。

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