谷繁は中日で横浜の13年間を上回る14年間在籍し、リーグ優勝4度、日本一1度と落合博満監督の黄金時代の中心選手として活躍する。一方、谷繁を失った横浜は正捕手を固定できず、投手陣も崩壊状態に。02~12年までの11年間で最下位9度と低迷期が続いた。リーグ優勝は1998年以来、24年間遠ざかっている。
強いチームは捕手陣がうまく稼働している。日本一に輝いたオリックスは伏見と若月健矢を投手によって使い分け、リーグ連覇を飾ったヤクルトは正捕手・中村悠平に加え、プロ2年目の内山壮真も成長著しい。西武が今季リーグトップの防御率2.75をマークしたのも、女房役の森の功績が大きい。パ・リーグはシーズン終盤まで日本ハムをのぞく5球団で優勝争いを繰り広げた。戦力が拮抗しているため、主戦捕手の移籍で各球団のパワーバランスが大きく変化する可能性がある。
森、伏見、嶺井は果たしてどのような決断を下すか。(梅宮昌宗)