どんな情報を集めるのかは、自分のがんのことをよく知りたい、病院や治療法を決めるための判断材料がほしい、退院後の生活について知りたいなど、人により異なります。まず自分に必要な情報が何かを整理しましょう。

 自分のがんの特徴や治療法の概略、国が指定する「がん診療連携拠点病院」の情報などについては、国立がん研究センターが運営するウェブサイト「がん情報サービス」を活用するといいでしょう。ほかにも療養生活や医療費の負担を軽くする制度などについて解説されています。

 治療の詳細については、それぞれのがんの「診療ガイドライン」で確認するのが最も確実です。各学会が進行度などに応じて推奨する治療法を医師向けに示したもので、がんの種類によっては平易に解説した患者向けのガイドラインもあります。書店で販売されているほか、学会のホームページなどで公開されているものもあります。

 なかには、担当医の説明だけでよくわった、納得できたという人もいるでしょう。そのような場合は、情報を集める必要はないかもしれません。なお、がん診療連携拠点病院に設置されている「がん相談支援センター」では、相談や情報収集の手助けをしてもらえることも知っておきましょう。

Q 怪しい治療かどうかは、どう見極めればいいでしょうか。

A お金儲けのための情報かを確認

 インターネット上などには、がんに関する情報があふれています。そして残念ながら不安を抱えるがんの患者・家族からお金を取ろうとするための情報が数多くあります。次のような事柄を確認し、怪しい治療に手を出さないようにしましょう。

・販売目的の広告かどうかを確認。「完治」「どんながんにも効く」「副作用がない」など、断定的な謳い文句には注意が必要です。

・根拠を確認。動物実験の結果、個人の体験談などを根拠にする治療・薬は信頼できません。

・保険診療で受けられるかを確認。高額であれば効くということはありません。

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