「Habit」の歌詞は、“大人の俺”から“君たち”に向けられている。“何んでもかんでも/分類 区別 ジャンル分けしたがる”若者たちに、“自分で自分を分類するなよ”というメッセージを送っていると捉えられるのだが、面白いのは、歌っているFukase自身が“これは大人の説教。すべては君次第で、その後のことには興味がない”と吐露していること。30代半ばになった人気アーティストが、自分が置かれたポジションを自覚しつつ、そのうえで歌えることは何か?を突き詰めているように思えるのだ。その真摯な創作姿勢によってこの曲は、若いリスナーの心を掴み、現代のメッセージソングとして機能しているのだろう。
2010年に初めてSEKAI NO OWARIにインタビューした際、Nakajinは「このバンドはFukaseの言葉を伝えるためにあると思っています」と話していた。その後、SEKAI NO OWARIは「Dragon Night」「スノーマジックファンタジー」などのヒット曲を生み出し、日本を代表するバンドへと成長したが、核になっているのは現在もFukaseが紡ぎ出す言葉。華やかなエンタメ性と真摯なメッセージが共存する「Habit」のパフォーマンスは、そのことを明確に示していた。
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■セットリスト ※曲順通り。カッコ内は各セクションのテーマMC
「RPG」「ファンタジー」「RAIN」(~禁じられた言葉たち~)「Witch」「天使と悪魔」「Like a scent」(~眠れるプラスチック~)「深い森」(~カラフルスクリーム~)「虹色の戦争」「周波数」(~Love Herstory~)「silent」「不死鳥」「umbrella」「炎の戦士」(~見ちゃダメ!~)「illusion」「Eve」(~止まらない時計~)「ラフレシア」「スターゲイザー」「スターライトパレード」(アンコール)「Habit」「Dragon Night」
■番組情報
SEKAI NO OWARI DOME TOUR 2022「Du Gara Di Du」(9月15日の東京ドーム公演の模様を配信)/11月放送・配信予定(WOWOW)
(文/森 朋之)