<一塁手>
■オースティン(DeNA)

 パワー自慢の助っ人砲。来日2年目の昨季は打率.303、28本塁打、74打点と活躍したが、年俸2億円にアップして迎えた今季はコンディションが整わず。開幕前の3月に右肘痛を訴えて開幕2軍スタートになると、4月に右肘のクリーニング手術を受けて長期離脱。8月に復帰したが、本来の強打は鳴りを潜め、出場38試合で打率.156、1本塁打、3打点。すべて代打での出場だった中で得点圏打率.067と結果を残せなかった。それでも阪神とのCSファーストステージ第3戦の9回に代打でヒットを放って意地を見せたが、勝利には結びつかず。10月24日に右肘内側側副靱帯修復術を受けて来季開幕は絶望的。再び豪快なアーチを放つ日は、いつになるだろうか。

<二塁手>
■京田陽太(中日)

 本来は遊撃手だが、“激しいワースト争い”の末の特別処置で今季1試合だけ出場した二塁手として選出。選ばざるを得ないシーズンだった。16打席連続無安打に加えて守備でも精彩を欠いた5月4日のDeNA戦では、試合途中に「戦う顔をしていない」、「2軍でやり直してこい」と横浜から名古屋へ強制送還。6月に1軍復帰を果たしたが、状態が上がらぬまま8月中旬に新型コロナ陽性反応で再び抹消されると以降は最後まで2軍生活が続いた。結果的に今季出場43試合で、打率.172、3本塁打、8打点。働き盛りの28歳だが、果たして来季は指揮官を見返すだけの「結果」を残すことができるか。非常に厳しい立場に追い込まれている。

<三塁手>
■高橋周平(中日)

 3年間務めたチームキャプテンの役割から外れて自分自身に集中できるはずのシーズンだったが、故障と打撃不振で不完全燃焼となった。開幕直前に左足首を捻挫して出遅れると、8月には右脇腹の肉離れで戦線離脱。立浪和義監督から開幕サードに抜擢された石川昂弥が長期離脱を強いられたこともあって三塁手として今季48試合にスタメン出場、通算ではシーズン78試合に出場したが、打率.249、2本塁打、21打点と不甲斐ない成績で今季を終えた。昨季も打率.259、5本塁打、39打点と納得の行く数字ではなかったが、それでも3年連続120安打以上をマークして面目は保っていたが、今季は66安打とほぼ半減。12球団断トツの最少得点に終わった“貧打”の原因の1人になった。

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巨人の“大黒柱”も苦しいシーズンに