「成績だけ見れば村上宗隆ヤクルト)など他球団の四番に及ばないが、存在感は引けを取らない。打撃だけでなく、ゴールデングラブ賞を獲得した一塁守備でも大きく貢献した。昨年と異なり、常に周囲へ声をかける姿も目立った。名実ともに巨人の一員になった感じがする」(巨人関係者)

「巨人はシーズン最終盤でAクラス入りを逃した。岡本和真が想像以上の打撃不振に苦しんだことも、チームが波に乗れなかった要因。代役の四番を務めた中田がいなければ、早い段階でBクラスが確定していてもおかしくなかった。今季の救世主だった」(巨人担当記者)

 とはいえ、苦しいチーム状況の中で存在感は示したが、本来の実力を考えれば十分とは言えない成績でもある。中田の今季の働きについては球団がどのような評価を与え、昨年減った年俸はどれだけ戻るのか予想するのは難しくもある。

「(球団の)中田への評価は高い。昨オフも金額だけ見れば大幅減に見えるが年俸1億5000万円で契約した。成績だけなら本来、年俸1億円を超えることなど考えられない状態で5000万円前後という予想もあった。そこから這い上がって残した今季の成績を考えれば、年俸の大幅増は間違いない」(巨人担当記者)

「契約更改ではシーズン中の貢献度と来季への期待度の2つが大きなポイントとなる。また巨人では過去の例を見ても、選手のネームバリューもウエイトを占めるようにも見える。中田は今季の成績に加え、知名度は球界トップクラス。日本ハム時代(年俸3億4000万円)とまでは行かないまでも、かなりの金額になるはず」(在京球団編成担当者)

 年俸については、来シーズン中田のモチベーションを高める事案があるのも影響するという。現在NPB通算で1456安打をマークしており1500安打まで残り44本、また本塁打は288本で節目の300号まで残り12本と大台が目前に迫っている。それ以外にもパ・リーグで過去3度獲得した打点王(2014、16、20年)をセ・リーグでも戴冠するという目標もあるだろう。

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