巨人・中田翔は今オフ、昨年の減俸分をどれぐらい取り返せるのか……。
昨年は日本ハム在籍時に同僚選手への暴力事件が発覚し、謹慎中に巨人へ電撃トレード。移籍前も39試合の出場で打率.193、4本塁打、13打点と苦しんでいたが、移籍後は34試合で打率.154、3本塁打、7打点とさらに成績を下げた。
3億4000万円(金額は推定)あった年俸は減額制限(1億円超の場合は40%)を超える56%ダウン(1億9000万円減)となる年俸1億5000万円となった。
「(暴力事件を起こしたことで)野球ファンだけではなく世間から批判を浴びた。巨人に来てからは全く口を開かない時期もあった。元々は明るい性格でチーム関係者のみならず、記者にも気軽に話しかける選手。別人のように落ち込んでいて、周囲が心配するほどだった」(巨人担当記者)
野球選手として背水の陣で挑んだ今シーズン。前半戦こそ不振が続き2度の登録抹消もあったが夏前から調子を上げ、8月11日の中日戦(バンテリンドーム)では「巨人軍第91代四番」に抜てきされるなど、チームを引っ張る存在となった。また、チームにも馴染み“巨人の中田翔”というイメージも定着した感もある。
「調子に乗り過ぎる部分があったが、根は優しくて良い人間。暴力事件では事の重大さに戸惑い、反省の言葉しか出てこなかった。一流の野球選手なので巨人で復活できて良かった」(日本ハム関係者)
「昨オフから休みなくトレーニングを行い、キャンプインから声を出して必死にプレーしていた。チームにも溶け込み、周囲の選手とじゃれあう姿も見られるようになった。球界屈指のバットマンだけに、メンタルが安定すれば結果は出るはず。周囲も大きな期待をしている」(巨人関係者)
結果が出ず二軍生活を送っていた6月12日には、長嶋茂雄終身名誉監督がジャイアンツ球場にまで足を運んで指導を行った。周囲の支えを受けながら調子を取り戻し四番を任されるまでになった。チームはBクラスに沈んだ中で、最終的に109試合に出場して打率.269、24本塁打、68打点の結果を残し、来季へとつながるシーズンとなったのは間違いない。