東京のど真ん中、表参道の交差点からほど近い路地の一角に、1年ほど前から出現している行列をご存じだろうか。いま、表参道で行列と言えばここ。発信源は「AMAM DACOTAN(アマム ダコタン)」という不思議な名前のベーカリーだ。
福岡で大人気のベーカリーとして、2021年に東京進出。オープンから1年以上が経過したいまも行列は絶えない。「2時間待ち」のことも多く、取材の際は行列の先が見えないほどだった。いまさら聞けない「アマム ダコタン」の基礎知識を、発売されたばかりのMOOK「東京カフェ2023」から、ふんだんな写真とともにお届けしたい。
基礎知識その1 仕掛け人は平子良太氏
知っておくべきは、「アマム ダコタン」ではなく「平子良太」だと言ってもいいかもしれない。株式会社ヒラコンシェの代表にして、アマム ダコタンのオーナーシェフ。現在、ベーカリー、カフェなど6店舗を展開し、インテリアやカトラリーもすべて自らセレクトしている。
「アマム ダコタン」のテーマは“石の町にある小さなパン屋さん”。アンティークのインテリアやドライフラワーで飾られたシャビーシックな店内は、まるで中世ヨーロッパのようだ。
もともとはイタリアンのシェフ。イタリアンとパンを融合させたアマムダコタンは、味もさることながらその「映え」る見た目でも注目され、いまやインスタのフォロワーは16万人を超えている。
基礎知識その2 看板はこだわりパンのボリュームサンド
アマム ダコタンのパンは、水分量の多い生地を15時間以上発酵させて作る。唯一無二の「パリッ&もちもち」食感はこうして生み出されるのだ。店内には140種類以上のパンがところ狭しと並び、まるで宝石のよう。足を踏み入れれば、誰もが心躍ること間違いなしだ。
看板メニューは、自家製の総菜などたっぷりの具材を挟んだボリューミーなサンドだ。たとえば「ダコタンバーガー」は、香ばしいパンにグリル野菜や紫キャベツのマリネ、サルシッチャをサンド。ほかにも、歯切れのよいリュスティック生地に、福岡産の小豆を店内で炊き上げた甘さ控えめのあんこ、練乳バターをトッピングした「あんこ&練乳バター」や、もちもちのドイツ生地にミニソーセージを包んで焼き上げ、店内でローストしたプチトマト&自家製マヨネーズをプラスした「ミニフランクフルトロール」などなど、バリエーションも豊富だ。