改修を終えた秋篠宮邸/2022年11月22日
改修を終えた秋篠宮邸/2022年11月22日

 天皇ご一家が暮らす御所の改修費は、8億7千万円と公表された。ほとんど内装の修復も増改築の必要もなかったため、その金額におさまった。だが、結果として比較されることになってしまった。

秋篠宮さまは、国民の税金で皇室の費用を賄っていることはよくご存知です」

 そう話すのは、秋篠宮家と長年親交があり『秋篠宮』の著者でもあるジャーナリストの江森敬治さんだ。

 築50年となる旧秩父宮邸は、老朽化が進んでいた。眞子さん佳子さま悠仁さまも成長し、住居部分も手狭になった。見かねた宮内庁が増築を打診しても秋篠宮さまは、

「やめておきましょう」

 と断ってきた。

■築60年元職員宿舎の新居

 そもそも、1990年に結婚した秋篠宮ご夫妻の新居は、驚くほど質素だった。昭和の初めに「乳人(めのと)官舎」として建てられた築60年近い木造の平屋。この元職員宿舎は、仮住まいを意味する「御仮寓所(ごかぐうしょ)」と呼ばれた。

改修を終えた秋篠宮邸の小食堂/2022年11月22日
改修を終えた秋篠宮邸の小食堂/2022年11月22日

 総床面積はわずか100平方メートル余り。直前に新築された高円宮邸(690平方メートル)と比べても、極端に小さかった。総務省の「平成30年住宅・土地統計調査」によれば、持ち家で戸建て住宅の場合、総床面積の全国平均は129平方メートル。一般の平均的な戸建て住宅より狭い住まいだったことになる。

 当時、ご夫妻は3畳の書斎にパソコンを置き、夫婦で仕事や勉強をした。それ以外の部屋は、寝室とアコーディオン・カーテンで仕切られた各10畳ほどの居間と食堂。お客と会うときは、近くの皇族共用殿邸や旧秩父宮邸を、その都度、借りていた。

 97年に眞子さんが生まれ、10畳と6畳相当の洋間2部屋が増築された。

 2000年には、旧秩父宮邸につなげる形で鉄筋コンクリート造り二階建て(8室、総床面積472平方メートル)の増築部分が完成。公的なスペースとして使っていた旧秩父宮邸を含む総床面積は1417平方メートルとなった。

 江森さんは、築60年の木造平屋が新居であったころから宮邸を訪ねている。印象に残るのは、植物の化石である珪化木(けいかぼく)と細長い神木のマンザカベニタニだった。江森さんは、この化石を何度見ても価値がわからない。

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