11月30日、秋篠宮さまは57歳の誕生日を迎えられる。その直前となる22日、改修工事が終わった秋篠宮邸の内部が公開された。老朽化していた旧宮邸。宮内庁が以前から改修を打診してきたものの、国民への負担を思い、秋篠宮さまが長年断り続けた末の工事だった。皇嗣家として皇室を支える秋篠宮家だが、国民とのすれ違いは続くのは、なぜだろう。
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「秋篠宮殿下は国民の血税を使わないように、予算を越えないように、と繰り返しおっしゃっていたと聞いています」
そう話すのは、元宮内庁関係者。
一方で、「こうした方が…」といった変更が続いて現場は混乱した、との話しも宮内庁から漏れてきたという。
秋篠宮邸の改修工事が終了した。総工費は約30億円。鉄筋コンクリート造で地下1階、地上2階建。広さ(全体の延べ面積)は改修前の約2倍となる2972平方メートルだ。
主に、広くなったのは、皇嗣として来客を接遇する公室部分と職員が働く事務スペースの面積だ。そした使われたシャンデリアや大理石の棚板は、秩父宮邸として建設された1972年当時の部材をできる限り活用した。
■「わざとらしい」と受け取られる
元宮内庁職員の山下晋司さんはこう解説する。
「30億円の総工費について批判的な声もありますが、何も贅沢な暮らしをするための豪邸ではありません。10月にはブータンの王女と王子を秋篠宮邸(御仮寓所)に招いて接遇されました。皇位継承順位1位の皇嗣となれば、宮邸で外国王族などの賓客を接遇する機会も少なくありません。それ相応の場所でもてなさねば相手に対して礼儀を欠くことになりかねません。宮内庁は、相応の施設や予算が必要であることを堂々と説明すればよいと思います」
山下さんが気にかかったのは、宮内庁が「大理石やシャンデリアは旧秩父宮邸のものを使用した」とわざわざ説明した点だ。こういう釈明めいた説明がまた国民に「わざとらしい」という感情を持たれてしまうのではないだろうか、と感じる。